インプラント義歯と天然歯
細部構造の違いから来る問題点
では、インプラント義歯の天然歯との細部構造の違いにスポットライトを当ててみましょう。
まず、天然歯はその歯根部が歯槽骨に突き刺さる形に固定されているのですが、より厳密に見ますと、歯根部を取り巻くように「歯根膜」という組織が存在します。この歯根膜がインプラント義歯にはありません。間に何か存在するどころか、インプラント義歯のフィクスチャーは歯槽骨と完全に一体化してしまいます。
もう一つ、天然歯はその内部に神経と血管が通っていましたが、当然ながらインプラント義歯にはそれらは通っていません。
この歯根膜の有無と神経・血管の有無が最も目立った天然歯とインプラント義歯の構造上の違いです。これらの違いが生む問題点を見ていきます。
天然歯に加わる衝撃は、まず歯根膜が受け止めてから歯槽骨に伝わりますが、インプラント義歯の場合はダイレクトに歯槽骨に衝撃が伝わります。クッションの役割を果たしている歯根膜がないわけですからね。これはやはり過度な衝撃があった場合に、義歯や歯槽骨にかかる負担が大きくなることを意味しています。
神経がないことから、感染に対する抵抗力も落ちるようです。神経があれば感染時に痛みを感じますので、対応措置がとれます。インプラント義歯は感染しても痛みを感じず、歯槽骨までが感染して初めて痛みを感じるようになるのです。